「あ、すいません」

隣にいるシズさんの足元に財布が落ちたから
シズさんが拾ってくれて
オレに手渡してくれた


「それっ!!」


と、同時に声が聞こえた。


声の聞えた方を向くと…


片方の手で口元を押さえ、財布を指差し、潤んだ瞳のマナカ…



「おそ…ろい…、潤と…」


絞り出すような声をここにいる四人は聞き逃さなかった…



「「「「えっ!!!!」」」」


四人で、マナカの方を見た。


「マナカっ!! 思い出したのかっ?!」


立ち上がっていたオレは、マナカのすぐそばに寄り
ベッドの背に凭れていたマナカの視線と合わせるように
膝を折ってマナカの瞳を見つめた



「潤… うん…わかるよ、潤…」


流れる涙を拭くことなく、オレをしっかりと見つめるマナカ。


「マジで!? 良かった! 良かった!!」


安堵と嬉しさとが入り混じって、マナカの身体を引き寄せ頭を撫でた


ミゥさんとシズさんは、手を取り合って喜びあい
瀬奈さんは、オレとマナカを見て笑顔でゆっくりと頷いた。