中に先に入った君塚は、みんながいつでも飲めるように置いてあるコーヒーの入ったコーヒーポットから二人分カップに注ぎ、テーブルに置いて椅子に座った


「なんだよ、そんな驚いた顔すんなよ、オレだってコーヒーくらい入れるぜ
ま、カップに入れただけだけどな」


あ…
思ってたことバレたか…


君塚の隣に座り、コーヒーを一口飲む


「あのさ、伶の実家、総合病院なんだわ もし、今の病院から転院とかセカンドオピニオンとかになったら、言ってくれよな」


そうか、マナカのこと社長に聞いたんだな


「すまん、心配かけて…ありがとう」


「彼女は、オレと伶のセカンドキューピッドだからな
オレたちも協力させてくれ」


いつになく穏やかな表情でオレに言う君塚
やっぱ守るヤツが出来ると変わるんだな…


「あぁ…感謝するよ でもセカンドキューピッドって?」


「あぁ、伶が言ってるんだ、オレたち幼なじみだろ? 小さい頃は、素直にお互い気持ちも言いたいことも言えて、分かり合えてたけど、大人になったら、素直な気持ちさえ言えなくなってたから…
それを手助けしてくれたのが、彼女だからな…
オレたち感謝してるよ
だから、協力させてくれ」


横にいる君塚が、真剣な眼差しをオレに向けた


「ありがとうな」


ココに来た時、オレと君塚が、こんなふうになるとは思ってもいなかった
これも、マナカのおかげだな…


「伶との時間無くなるのイヤだから、残りのアフレコ頼むぜ!」


「わかってるさ! 全部ノーNGでやってやるよ!」


そうさ! 早く終わらせてマナカの傍に行く


待ってろよ、マナカ