マナカがこっちにくる今日

朝のダンスレッスンは、自然と気合が入ってた


「先輩、今日は妙にキレがいいっすねー?

なんか、いいコトあったんすかっ?」


休憩に入り、勝哉と二人窓際に凭れ
タオルで汗を拭きながらスポーツドリンクを飲む


「あ? まぁな、ふっ…」


「なんすか! そのニヤニヤ…教えてくださいよ!」


肘でオレの腕をつつく勝哉


「いてぇなー 今日マナカが来るだけだよっ 」


勝哉の肘攻撃を逃れるため、少し横にズレる

意外に、痛かったんだよな


「マジすかっ?! マナちゃん来るんスかっ?!」


おいおい、マナちゃん…って!
勝手に呼ぶなよなー


「オレ、結婚式ん時、ちょっとしか話せなかったんで、オレも会いたいっすー」


え゙…


会いたい、って…


「勝哉、お前、マナカはオレの奥さんだぞっ ヘンなコト考えんなよなっ!」


「ぷっ! 先輩、顔マジっすよ! ぷっ!
ちょっと話すだけっすからー 
安心してくださいよ 横取りするとか考えてないっすから!

それに、オレにもちゃーんと!彼女いますしねっ!」


「な、なんだよ! わりぃかよー オレはマナカのコトんなるとマジんなるんだよっ!

ってか! お前、彼女いんのかっ?!初めて聞いたぞ!」


お返しに勝哉の脇腹をつつく


「うひゃっ 先輩、ヤメてくださいって! うひっ、最近できたんですって!

今度会わせますから! か、かんべんしてくださぃーっ」


パンパンパン


両手を叩きながら、休憩時間が終わったことを知らせるように
ダンスの先生が入ってきた 

タオルを窓際に置き定位置につくと
少し遅れて入ってきた君塚が不機嫌そうに定位置に着いた


レッスンを開始し、昼までの時間、みっちりレッスンした


レッスンの最中、鏡越しに見えた君塚の表情は、
終始硬かったのが少し気になった


それに、どんな時も香坂マネージャーがいるのに
この時間いなかった