家の目の前に来てから、鞄から鍵を取り出す。 もうすぐだ、もうすぐ家に入って、お布団で寝れる。 そう思って、何とか手を動かす。 だがその時… 「沙羅ちゃん?」 「…え?」 弥先輩の声が後ろから聞こえた。 そして振り向いてみると、弥先輩が立っている。 「何で…?」 どうしてここにいるの? 弥先輩は… 「沙羅ちゃん!?」 …あたし、馬鹿だ。 体調悪すぎて、幻覚見ちゃったよ。 改めて…弥先輩のことが好きだと自覚する。 あたしは幻の弥先輩の微笑みかけた。