やる気を出した途端
厳しい現実に打ち砕かれ

求人誌を見ながら
ため息しか出てこない。


「おっねぇさん!
仕事探してんの?」


どっから沸いて出たのか
いつの間にか
隣に 怪しそうな男が座っている。


スーツっぽいけれど
そこら辺の サラリーマンとは
かけ離れているような・・


そうだ、ホスト被りだ。

ホストを おっさんにしたような・・

怪しい、この男・・・

極めつけは

この寒い中

裸足にサンダルだし・・・


怪しすぎる。



「いえ・・・・
失礼します」


こんな怪しい おっさんの相手をしてる暇なんてない。


さっさと立ち去るが勝ちだ。


「あ、待って待って。
仕事探してんだったら、
お姉さん いくつ?」


「22・・・・」


「じゃあ 大丈夫だ。」


何が大丈夫なんだ?

怪しげな男は
持っていたセカンドバッグから
名刺らしきものを取り出し


「良かったら考えてみてよ。
そこの携帯にかけたら
俺出るから。
日払いOKだから
考えてみて」


そう言いながら
私に名刺を渡すと
笑顔で立ち去って行った。