諦めた瞬間と同時に、

前方から歩いてくる人が
目に入り、

とっさに


「た、助けて下さい」


そう、叫んだ。


けれど・・・・・


サラリーマンらしき、おじさんは

一瞬、こっちを見たものの

聞こえないフリをするように

そのまま通り過ぎ・・・・


「クソ女が・・・
変な事叫ぶなや」


ほんと・・・・


叫んだ所で

今の世の中、

助けてくれる人なんて・・・


完全に、抵抗する気も失せ

ただ、男達に囲まれ歩き続ける。





「君達、ちょっと待ちなさい。」


一斉に振り向くと


後方から、お巡りさん2人と
さっきのサラリーマン風のおじさんが
走りながら追いかけてきた。


「マジかよ、あのジジイ・・・
ズラがんぞ。」


取り囲んでいた男達は
私を思い切り突き飛ばし

蜘蛛の子を散らすように
走って逃げて行き


「大丈夫ですか?」


お巡りさんが、倒れこんだ私に手を差し伸べている。