そのことを知って。 それからずっと、妹に会えるのを夢見て。 バカみたいに、夢見てて。 バカみたいに、希望持ってて。 「バカ、だよな……っ」 今更だ。 もう、わかってる。 俺たち兄妹は、もう一生――会えない。 だって、行方がわからないんだから。 そしてなっちゃんは、幸せに暮らしてて。 俺は地味に独りで暮らしてて。 きっとそれがお互いの運命だったんだから。 もう別に、いいや。 なっちゃんの記憶に、さよなら。 どうでもいい。