特進Sクラスの次に成績のいい人たちが集まった、A組。
そこに所属しているのなら、F組の私を本物のバカだって、思っても不思議ではない。
「あー、響なら仕方ないんだ。ワケあって、1教科しか受けられなかったから」
クスクスと笑っていた2人が、朱雀の言葉で固まる。
「そうなの……?」
「ああ。だから、あのクラスにいるのは事故のようなもんなんだ。……響、悪い。オレ、トイレ」
朱雀はそう言うと、席から立ち上がった。
ソファ席だったため、私は慌てて場所をあける。
朱雀が行ってしまうと、女の子3人だけになってしまった。



