やっぱり、まだA高校に未練たっぷりだ。
思いを断ち切らなきゃいけないのに、まだまだ諦めきれない。
どんなに強く願ったって、仕方がないのにね。
「響ちゃん。グラタンきたよ」
「えっ?」
ボーっとしていたら、わざわざ龍斗が呼びに来てくれた。
空のグラスを持ったまま、どのくらい突っ立っていたんだろう?
「あ、ありがとう。戻るね……」
ウーロン茶を半分くらい注ぐと、私は席へ戻る。
龍斗の言った通り、私のテーブルにはマカロニグラタンが湯気をたてていた。
「響、もうすでにドリンクバーの元はとっただろ?そんなに喉乾いてたのかよ?」
「あ、まあね……」
居心地が悪いだなんて言えないし。



