このままいけば、何とか試験開始前に到着できる。
……その時だった。
「……うっ」
私の前を歩いていた女の人が、その場に崩れ落ちるように座り込んだ。
「だ、大丈夫ですか……?!」
「お、お腹が……」
慌てて女の人に駆け寄ると、彼女は大きなお腹をさすりながら苦しそうに顔をゆがめていた。
ちょ、ちょっと、これって、もしかして……っ!
パニックになりながら周りを見渡しても、運が悪い事に人の姿はない。
ど、どうしようっ!
も、もう生まれるって事だよねっ?!
「あ、あのっ!救急車呼びましょうかっ?!」
こういう時って救急車呼んでいいのかな?!



