小山田はメガネをかけなおすと、逃げるように普通校舎の方に向かって駆け出した。
その後ろ姿が何とも言えないくらいおかしくて、龍斗と朱雀が爆笑する。
「何だあいつ。成績で人を見てんじゃねーっての」
「俺達からしてみたら、小山田の方が変人だけどな」
アハハと笑い飛ばす2人。
朝から変なのに絡まれちゃったなーと私はガックリと肩を落とした。
「響、大丈夫か?」
「……うん」
「あいつの事なんか気にすんな。第一、お前は1教科しか受けてないんだから仕方がないんだ」
朱雀の言葉で私は首を横に振る。
もし、3教科受験できていたら……なんて考えてはいけない。



