「まあ、頑張れよー」
「う、うん……」
第一志望の高校に入れなかった事は悔やまれるけど、鳳凰学園に通えるならまあ、いっか……。
頑張って、少しでもいいクラスに入れるようにしよっと。
そして、試験当日。
「うわー、やばいやばいっ!」
鳳凰学園に向かって全力疾走をしていた私。
やはり、完全な受験モードには戻れず、しかも大事な日だというのに寝坊をしてしまったのだ。
半泣きになりながら、私はとにかく走った。
今日は土曜日だし、朝早いので人の数はまばら。
これで人ごみの中だったら、間違いなくアウトだろう。



