振り返ると、メガネをかけた真っ黒な髪の男子生徒がそこにいる。
人を見た目で判断しちゃいけないってよく言うけれど、パッと見、物凄く勉強が好きそうな外見だった。
目はきついし、ヤンキーを毛嫌いしてそうなタイプ。
「はあ……」
「そっちのエリアには行かないほうがいい。バカが移るよ、バカが」
「……」
メガネをクイッと押し上げて、つかんでいた私の腕を放した彼。
アハハハ。
私もそのバカの一員なんですけど。
「本当に、この学園の理事長は何を考えてんだか。隔離しているとはいえ、何であんな野蛮な人種を集めたクラスなんか作るかね。キミもそう思わないかい?」
「や、野蛮な人種……」
思った通り。



