「も、もしもし……?」
『よう、響ー。家に着いたか?』
「まだだけど……」
『大丈夫か?変な奴がいるならそこで待っててくれればオレが行くけど』
オレが行く……?
そんなヒーローみたいな事をして大丈夫?
「あ、ううん。そういうわけじゃないから大丈夫。ありがとう」
心配してくれたのは嬉しい。
だけど、朱雀は彼氏じゃないし、さすがに学校から解放されたのなら、朱雀たちとも関係のない世界を楽しみたい。
私は一方的に通話を終了した。
「大丈夫?」
「え?あ、うん!」
次はないかもしれない、宮田との一緒の空間を今は楽しみたい。



