だけど、佐和子は知っているんだ。
私がA高校に行きたくて、必死になって勉強をしていた事を。
その努力が実って、合格した時の喜びを。
入学取り消しになって落胆していた時に大泣きしていた事を。
だから、A高校よりレベルの高い鳳凰学園に入れたけれど、心の底ではA高校に未練を持っているって、見抜いているんだ……。
「はあ……」
閑散としたホームで私はため息をついた。
鳳凰学園に入ったけど、普通校舎でなく、隔離されたヤンキークラスに所属しているだなんて、死んでも言えないわ。
これから先、なるべく佐和子と会わないように、通学・帰宅ラッシュの時間にはここにいないようにしよう。