「響ちゃん、こっち」 龍斗がすかさず立ち上がり、私の手を引いて教室の隅へと連れて行ってくれた。 めんどくさそうな顔で朱雀は立ち上がる。 「なんだよ?石島、お前もこの学校受けてたのかよ?」 「テメェがいるから受けてやったんだ。そうしたらいつでもボコボコにできるからな」 パキパキと関節を鳴らして、石島という男はペッと唾を吐いた。 「ボコボコってそれ、マジで言ってんの?」 「前回のように簡単にはいかねーぞ!」 朱雀の問いかけに答えたかと思ったら、石島というガラの悪い男は朱雀に殴りかかった。