「あー、響ちゃん知らないんだ?」
「まだ話してない」
「……何を?」
朱雀にスマホを返すと、今度は龍斗がスマホを渡してきた。
話していないって……何を?
「おい、天堂!テメェッ!」
その時、ドアがバーンッと開いて、金髪の毛を逆立てたガラの悪い男が教室に入ってきた。
かなり着崩しているけれど、一応、この学校の制服を着ているし、どうやらこのクラスの一員らしい。
龍斗の番号を登録していた私は、ビクッとしてしまった。
いかついし、物凄く怖い。
怒り狂ったような表情で、彼はこちらに向かって歩いてくる。
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