話は中で……って。
一体、何の話なんだろう……?
首をかしげながらも、私と朱雀は家の中に入った。
「響、謝らなくちゃいけない事があるの」
「……今度は何?」
リビングのソファに朱雀と並んで座った私。
向かいに座ったお母さんが、改まって言い出しにくそうな顔をする。
もうね、何を聞いても驚かないと思う。
入学金振り込み忘れたのが、1番の衝撃だったし。
「あのね、入学金の振り込み忘れの事なんだけど……」
「その事はもういいって。この前終わりにしたし、朱雀もその件については知ってる」
「いえ、違うのよ。実は、振り込み忘れたんじゃなくて……ワザと振り込まなかったの」
……今、何て言った?