「響、大丈夫か?!」
「だ、大丈夫……。佐和子が……来てくれたから」
今回は本当にもうダメかと思った。
この前は、私が連れ去られるところを宮田が見ていたから、どうにかなったけれど。
「でも、どうして?どうして、朱雀……」
「龍斗が、陽子を尾行していてくれたから」
「尾行……?」
「ああ」
不思議そうに問いかけると、龍斗が笑ってうなずいた。
「さっき、校門で陽子を追い返した後、何かやらかすだろうと、龍斗に尾行してもらったんだ。そしたら、その子の家に入ったって連絡きてさ。響と別れた後、しばらくお前の家を見張ってた。そうしたら、慌てたように出て来たから、何かあるなーって」
「そ、そうだったんだ……?」



