「陽子と手を組んで、オレの女をどうしようとしたんだ?あ?」
「お、お前の女だったなんて、俺は知らない!」
「そんなんで、襲おうとしたのかよ?ふっざけんなっ!」
朱雀は飛び蹴りをくらわせると、その勢いで、浅井の隣にいた茶髪をぶん殴った。
私と佐和子はこれ以上見ていられなくて、顔を伏せる。
ドカッバキッという音と共に、うめき声が混じる。
石島を退散させた時以上に、朱雀は怒り狂っていた。
今まで見たことのない、怒りに私は震えてしまう。
龍斗もそうだけど、朱雀も敵となった相手には容赦しない。
再起不能になるまで打ちのめす……。
だから、その名がついたんだろう。
炎帝と蒼帝。
帝王の名が……。



