どうして、いつもこうやって、ピンチの時に助けに来るの……?
まるで、童話の王子様のように。
「てめーら、オレの顔を忘れたのか?2年前、陽子のせいであれだけ痛い目にあったっつーのに、まだこりてねーのかよ?」
「お、お前は……炎帝っ?!」
そう。
現れたのは、私の大好きな人、朱雀。
「え、えんてい……?」
佐和子が涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら顔を上げた。
「浅井ー。お前、まだ陽子と付き合ってんのかよ?こりねーなー」
「ふ、ふざけんな!お前に文句言われる筋合いねーよ」
さっき、なれなれしく私の肩を抱いた金髪男が答えている。
この人が、浅井……?



