15分ほど歩いて、桜児童公園へ来たけれど、佐和子の姿はなかった。
呼び出しておいて、私のが先に来るなんてね。
とりあえず、ベンチに座った。
あの時は、ブランコに腰かけたんだっけ。
それで、ブランコに乗りながら、バーカバーカって叫んだら、朱雀が来てさ……。
朱雀に初めて告白された場所だったっけ……。
『彼女になれよ』なんて、かなり上から目線だったから、冗談かと思ってグーパンしちゃったんだよね。
胸キュンしたのに……ってさ。
その時、ザッザッという複数の足音がした。
佐和子が来たのかと思ったけれど、佐和子が何人もいるわけがない。
だけど、顔を上げて、私の全身から血の気が引いていくのを感じた。



