「あら?出かけるの?」
玄関で靴をはいていた私に、声をかけてきたお母さん。
「うん。友達に会いに、桜児童公園に行ってくる」
「あまり遅くならないのよ?」
「はーい!」
お母さんに返事をして、私は外に出た。
桜児童公園まで、歩いてどれくらいだったかなぁ。
初めて行った時は、お母さんを責めて家を飛び出したんだっけ。
佐和子にバカにされて、宮田に冷たい目で見られてさ。
そんな佐和子が、謝る場所にその公園を選ぶなんてね……。
学区外なのに、よく知ってるなぁ。
私が知らなかっただけで、佐和子はよく遊びに行っていたかもしれないし。



