「んー、じゃあ、それはそれでいいよ。でもずっと、朱雀君の事を想ってきたんだよ?」 「んな事知るかよ。オレには、今、響がいるんだ」 朱雀はそう言って、私の肩を抱き寄せる。 ドキドキという音がうるさくて、朱雀に聞こえてしまうんじゃないかって、思ってしまう。 「……そっか、そうだよねー」 「ああ。そうだ。今後一切、オレの前に現れんな。もちろん、響の前にも龍斗の前にもな」 「……うん。あきらめるよ」 悲しそうに笑った陽子さん。 彼女とは対照的に、怖い顔の朱雀。