「あ、朱雀君っ!」
「……は?」
校門の前で、大きく手を振っているA高校の制服を着た女の子。
校門を抜けていくうちの生徒は、彼女をジロジロと見ていた。
彼女が目立つような事をしていたからではない。
誰もが振り返ってしまうようなほど、可愛かったからだと思う。
「陽子……何で、ここに……?」
「えー?だって、なかなか連絡くれないからー。朱雀君に会いたいって、彼女さんの許可もとったんだし。後は青葉君の連絡待ちだったんだけどー」
「それは断ったはずだろ?龍斗を通じて、何度も」
断った……?
私が朱雀を見上げると、彼は何度かうなずく。



