許せないよ……もう……っ! 『じゃあ、また明日、学校でな』 「うん……っ!」 朱雀との通話時間は短かったけれど、私にはじゅうぶんすぎた。 だって、心臓がズキズキと痛んで止まらなかったし。 朱雀の声を聞いただけで、その痛みはスーッと消えていったから……。 「あーあ。本当、ラブラブだな」 「……うん」 元カノが可愛くても、私は私でいればいい。 朱雀が私を好きになってくれたことは、事実なんだから。 この先、何も起きない事を祈りながら、私は龍斗と家まで歩いた。