「ねえ、それと同じセリフ、響ちゃんの彼氏の前で言える?」
「えっ?」
龍斗の声のトーンが低くなる。
佐和子の顔色がサーッと青くなっていくのでわかったけれど、龍斗はさっきまであった温かい表情がなかった。
冷たくて、無表情。
仲のいい私でも、龍斗のこの表情を見ると、心臓が止まりそうになる。
「あ、ご、ごめんなさい……」
「言っておくけど、そのまま返すよ。何でキミが、可愛らしい陽子ちゃんの友達なわけ?」
「……んぐっ」
「ああ、もう、青葉君!そのくらいに……」
言葉につまり、泣きそうな顔になった佐和子。
慌てたように陽子さんが止めに入った。