元カレの親友って……。
私は隣にいる龍斗を見上げる。
彼はいつものような笑顔でなく、困ったように笑っていた。
「ね、朱雀君は元気?」
「あー、元気だけど……」
「そっか……」
龍斗の答えを聞いた彼女は、どこか寂しげに微笑んだ。
こげ茶のストレートの長い髪。
目はパッチリしていて、可愛らしい。
何で、佐和子と一緒にいるんだろう?
「響はこんなとこでデートしてるの?彼氏だよね?宮田が話してたけど」
「彼氏じゃないし」
「え?彼じゃないの?彼じゃない人と響は2人きりになれるんだ?」
相変わらず佐和子は、人の庭に土足で踏み込んでくるような勢い。