どれくらい泣いたかわからない。
気が付けば、駅の近くの小さな公園のベンチに座っていた。
「あーあ。何で俺が響ちゃんをなぐさめてんのかね?」
「だって……ぐすっ。無理に……笑うから……ぐずっ」
ため息混じりの龍斗に、鼻をすすりながら答える私。
それがおかしかったのか、なぜか龍斗はブッと吹き出す。
「な、何で笑うのぉ?!」
「いや、自分の事じゃないのに、何でそんなに素直に泣けるのかなーって」
「だって……」
「けど、その純粋さに朱雀は惚れたんだろうなー」
顔を上げると、龍斗は空を見上げていた。
その目から、涙が一筋流れ落ちる。



