「そっか。別に待っててもいいよ?」
「いや、この校舎に響1人を置いておきたくねーな」
朱雀はそう言って、苦笑した。
確かに……。
この校舎に出入りする生徒は誰でも、私が朱雀の彼女だという事を知っている。
だから、変にちょっかいを出してくるような事はない。
でもさすがに、不良が何人も出入りするここに、1人ではいたくないなぁ……。
「何だ、まだいたの?」
朱雀と顔を見合わせていたら、龍斗が来た。
龍斗は週番の仕事をやっていたんだ。
「あー、じいちゃんに呼び出されちゃってさー」
「じゃあ、俺が響ちゃん送ろうか?」
龍斗の申し出に、私は驚いてしまった。



