もちろん、最初は恥ずかしかったよ?
だけど、少しずつ慣れていったおかげで、今じゃ普通に人前で手をつなげる。
お弁当の時に並んで座るのも当たり前になった。
「バカップルって、そんなつもりじゃ……」
「じゃあ、俺にもから揚げちょうだい。アーンって……」
「おい、龍斗」
口を開けた龍斗に、朱雀がにらむ。
「冗談に決まってんだろ?響ちゃんの事になると、本当に怖いよなー」
「当たり前だ」
「あーあ。うらやましいぜ」
「龍斗は好きな人いないの?」
何気なく聞いてみた。
今まで、そんな話を聞いた事がなかったし。



