「お?響の弁当、から揚げウマそうだな」
「食べる?」
「ああ」
「じゃあ、はい、アーン」
「あー……」
お昼休み。
私と朱雀はいたって、普通の会話をしているつもりだったんだけど……。
目の前の龍斗が苦笑いしながら、私と朱雀を見ている事に気が付いた。
とりあえず私は、から揚げをつまんで、朱雀の口に持っていく。
「ウマいなー。から揚げ最高!」
「あのさー……。お前ら、少しは俺がいるって事、忘れないでくれよな?」
龍斗の言葉に、モグモグと口を動かしている朱雀は不思議そうに首をかしげた。
「このバカップルが!」
「バ、バカップル?!」
全く自覚していなかった……。