スッと私のあごに朱雀の手がかかる。
それが合図のように、自然に顔を上げる。
何も言葉はないけれど、朱雀がゆっくりと顔を近づけて来た。
私はそれにあわせて、目をそっと閉じる。
重なる唇。
やわらかい感触と共に、伝わってくる朱雀の熱。
「響、好きだ……」
「私も……」
一度離れたかと思ったら、また口づけされる。
今度はさっきよりも長く、甘く……。
「やべぇ。お前、その顔、エロい」
「……はっ?!エロ?!」
キスを終えて、私の唇を親指でぬぐった朱雀がニッと笑いながら言った。
顔がエロいってどういう事よ?!



