「朱雀。俺は宮田君と先に帰るよ」
「ああ。龍斗、悪かったな」
「何だそれ。もしかして、イイとこどりしちゃった事?朱雀に謝れると腹立つなー。響ちゃん、言っておくけど、俺はもっと強いんだからね」
龍斗は手をヒラヒラさせて、私に笑いかけると宮田と行ってしまった。
私のせいで傷だらけになっちゃったな……。
本当に悪い事をしたなぁ。
「響、ごめんな。本当にどこも何ともないか?」
「う、うん……」
朱雀がかがみこんで、私に視線の高さを合わせる。
「怖い思いさせてごめん。本当にオレは肝心な時に……」
「朱雀のせいじゃないよ!でも、私のせいで龍斗が……」
「ばーか。それ龍斗に言ったら、余計に気にするぞ?」
コツッと私の頭を小突いて、朱雀は笑った。



