石島はヘラヘラと笑いながら、私の方へ近づいてくる。
「絶対に見せないっ!だって……朱雀にしか見せないって決めたんだから……っ!」
「絶対だな?後で取り消しとか言うなよ?」
グッとこぶしを作って叫んだ後、答えが返ってきた。
顔を上げると、黒髪の赤メッシュが長髪男を蹴り上げたところだった。
不意打ちだったらしく、長髪男は無抵抗でその場に倒れこむ。
「て、天堂……っ!」
「この辺一帯を仲間が囲んでるって?悪いな、少々ウォーミングアップの相手になってもらった」
朱雀はフッと笑って、言った。
石島は顔をゆがませたかと思ったら、金属バットを振り上げて、朱雀に向かって突進していく。



