カバンが当たったせいか、長髪男の手からナイフが飛び、石島の顔にもヒットする。
私は腕を引っ張られた。
「大神、大丈夫かっ?!」
「えっ?み、宮田……?」
両肩をつかまれて、顔を上げると、目の前に宮田がいた。
奇声をあげながら乱入してきたのは、宮田だったらしい。
……でも、どうして?
宮田は、あの時、私を見ながらも駅の方へと逃げたはずだったのに……!
「ごめん、大神!俺、お前に合わす顔なんかないのに……。本当にごめん」
「宮田……」
「大神の話も聞かずに、俺、ひどい事……」
いやいや、ちょっと待って。
今はそんな話をしている場合じゃないって……。



