石島は金属バットを振り上げる。
「やめてっ!お願いっ!」
「んじゃ、お前が青葉の身代りになるか?」
金属バットを振り上げたまま、奴は私の方を見る。
身代り……。
やっぱり、これで殴られたら痛いよね?
当たり前だけど、タダじゃすまないよね?
……でも、龍斗が殴られるのを黙ってみているわけにはいかないし。
そもそも、私がこいつに捕まっちゃったから……。
「響ちゃん、よせっ!」
「お前は黙ってろよ」
石島はそう言って、龍斗の腹部を蹴飛ばす。
無抵抗の龍斗はその場に倒れた。
「龍斗!」
「うるせーな。こんくらいで死にやしねーよ」
石島はカラカラと金属バットを引きずりながら、こちらへ近づいてきた。



