数人の男の怒声。
殴る音とその場に倒れる音が混ざる。
「……お前ら、それだけの人数で俺にも勝てないのかよ?」
「龍斗っ!」
龍斗の声が聞こえて来たので、思わず叫んでしまった。
どうやら無事のようだ。
「響ちゃん?」
「おっと青葉。動くなよ?動いたらこの女、どうなるかわかってんだろ?」
羽交い絞めにされた上にナイフを私に突きつける長髪の男。
「ぐっ……」
それを見た龍斗は、悔しそうに唇をかんだ。
「へっ。女のためなら簡単に言う事聞くのかよ?蒼帝が聞いてあきれるぜ」
石島が金属バットをカラカラと引きずりながら、龍斗に近づく。
もしかして、それで殴るつもり……?!
ダメ……やめてっ!



