とにかく、人の多いところまで走って、助けを呼ぼうっ!
そ、そうだっ!
朱雀に電話をかければ……っ!
私は走りながら、スマホで朱雀に電話をかける。
だけど、呼び出し音はなるものの、すぐに留守電に切り替わってしまった。
何度かけても同じ。
「ダメだっ!とにかく、駅まで行って……」
走っていると、ちょうど駅から宮田が出てくるのが見えた。
「み、宮田……っ!」
息を切らしながら、彼の名を口にした時、足がもつれてころんでしまった。
持っていたスマホが勢いよく、地面をすべっていく。
「何だ何だ?鬼ごっこは終わりかよ?」
「い、痛っ!」
グイッと腕を引っ張られた。
顔を上げると、さっき石島と一緒にいた不良がニヤニヤとしながら私の腕をつかんでいる。



