金髪やら坊主やら、鼻ピアスやら……。
うちの学校の生徒ではない不良。
みんな気味の悪い笑みを浮かべていた。
「……お前1人でやられたから、仲間引き連れてきたのか?」
「だったら何だ?1人じゃ勝てねーから応援呼んだだけだろうが」
ギャハハと下品な笑いを響かせる不良たち。
私は怖くて、後ずさりをする。
「響ちゃん、駅まで走れ」
「えっ?で、でも……」
龍斗がどれだけ強いかわからないけれど、相手は何人もいるんだよ?
置き去りにするなんてできないよ……っ!
「いいから、早く行けっ!」
今まで聞いた事もない、怖い声で龍斗に怒鳴られた。
それが合図となり、私の足は自然と走り出す。



