本当、サイアク。
知らずにそんな顔をしていたなんて。
「ま、いいじゃん。そろそろ自分の気持ちに素直になれば。今日、スッキリさせてさ」
「うん……そうだね」
龍斗は簡単に言うけれど、簡単な事じゃないんだってば。
その前に、宮田と顔を合わせたら、どうすればいいかな……。
何度目かのため息をついた時だった。
「よう、青葉。今日はお前1人かよ?天堂はどうした?」
駅まであと少しというところで、ドスのきいた声が耳に飛び込んできた。
私の隣で笑っていた龍斗の顔から笑みが消える。
「石島……」
金属バットを手にした石島が、バックにタチの悪そうな不良を数人引き連れていた。



