私以上に、試験勉強を頑張ってくれちゃったわけね……。
次回は負けないように頑張らないとっ!
「でも、響ちゃんもやればできるんだね。見直したよ」
「あーっ!何その言い方ーっ!」
龍斗の言葉にプーッと頬を膨らませてみる。
「だって、事故で2教科受けられなかったけど、本当は3教科受けても1教科でも同じだった……っていう結果を密かに期待してたからさ」
「バカにしてーっ!」
「A高校受かってんだから、その辺のバカとは違うだろ。な?響」
龍斗に向かって振り上げた拳。
だけど、朱雀の言葉に私はその拳をおろした。
……そうだ。
さっき助けてもらったのに、私は朱雀にお礼すら言っていなかった。