「あー、やっぱり。何があったか教えてよー」
「べ、別に何もないもんっ!」
龍斗を置いていこうと、私は早歩きになる。
だけど、私なんかよりも龍斗は足が長いから、早歩きをしたくらいじゃ距離が開かない。
「気になるじゃん。教えてよー。響ちゃんと俺の仲じゃん?」
「どんな仲よっ?!本当に何もないしっ!」
怒鳴りながら校門をくぐった時だった。
ザワザワとしている事に気が付き、足を止める。
「何?あの人だかり」
騒がしい方に視線を向けると、人が掲示板に群がっていた。
「あー、この前の中間テストの結果だろ。面白そうだし、行ってみようぜー」
「えっ?!あー、引っ張んないでよっ!」
あまり乗り気じゃないのに、龍斗はグイグイと私の腕をつかんで引っ張っていく。