本気で受けたテスト。
自分の今の実力がどの程度なのか、知りたい。
今回ダメでも、次回はもっと頑張れる。
旦那さんに会って、私は本気でそう思ったんだ。
どこのクラスにいたって関係ない。
後は自分の努力次第なんだって……。
「響。礼を言うくらいなら、何かよこせよ」
「はあ?何かよこせって言われても、何もないし……」
カバンを開けてみるけれど、朱雀にあげられるような物は何もない。
朱雀はフッと笑うと、私の腕をつかんで、そっと自分の方へ引き寄せた。
「勝手にもらうからいい」
耳元でささやかれたと思ったら、頬に柔らかいものが当たった。
朱雀が私の頬にキスをした……。