「何?」 「何って……せっかくだから手くらいつないでやってもいいぜ」 「……えっ!」 手くらいつないでやっても……いい? 何で上から目線なのよっ! 「いや、結構です」 「おいおい、そこは可愛らしく、“ありがとう”って言ってつなぐところだろうが」 「朱雀がつなぎたいんでしょ?そんなに言うならつないであげてもいいけど?」 逆に上から目線で、ニヤニヤしながら言ってみた。 ムッときたかな?……と思っていたら、 「ああ。響とつなぎたい」 そう言って、朱雀は私の手をギュッと握って歩き出した。