そういえば、あの時のタクシーの運転手さんも親切だったなー。
私は不安でドキドキしているだけだったのにさ。
あの日、お姉さんに出会わなければ、私はここでどんな高校生活を送っていたんだろう?
やっぱり、ヤンキークラスの人を見下していた?
小山田やA組のあの子たちのように、バカにしていた?
……朱雀や龍斗の存在も知らずにいたんだろうね。
「うん、行くよっ!」
「よし、決まり。んじゃー、行くか」
「……あー、俺はパス」
朱雀が声をかけると、龍斗が手をあげてパス宣言。
「何でだよ?」
「んー、たまには2人で出かけたら?」
2人で……?



