「じゅ、受験……っ!」


「……え?」



やっと出た声は震えていた。


私が出したワードに彼は驚いて目を丸くする。



「ど、どうしようっ!私、もう後がなくて、せっかくの受験……っ!」


「落ち着けって。とりあえず、その学校に電話しろよ。妊婦助けたんだし、何とかしてくれるかもしれないだろ?」


「あ、そ、そうだよねっ!」



彼に言われて、私はカバンから試験案内表を出した。



「……鳳凰学園かよ」


「え?う、うん……」



試験案内表には高校の名前が書いてあった。


彼はなぜかそれを見て、チッと舌打ちする。