「響ー。お前、受験で出せなかった努力を中間で出してみろよ」
「……え?」
歩きながら朱雀が言ったので、私は思わず立ち止まる。
「そんなに驚く事はねーだろ?別にいいじゃん。本当は自分はどこのレベルだったのかって、わかるだろ?普通科のクラス平均点は須藤に聞けば教えてくれるだろ。お前、ワケアリ生徒だし」
「……まあ、そうだけど」
確かに、須藤先生は私の事情を知っているし、教えてくれるだろう。
「小山田の野郎もムカつくし、ここはオレも本気出してやるかな」
「マジ?朱雀が本気出すなら俺も本気で勉強するよ?」
「おう、じゃあ賭けるか。負けたほうが1週間昼飯おごりな」
テストを賭け事にしちゃうとか、やっぱりF組的余裕かも。



