だけど、石島に襲われるって思った瞬間……。
頭の中に思い浮かべたのは朱雀だった。
昨日まで好きだった宮田じゃなく、なぜか朱雀だった。
もしかして、それが朱雀に届いたの……?
「嫌な予感がして飛んできてみれば、中から石島の声がするし、1人で行かせなきゃよかったって後悔した」
私が脱いだブレザーを朱雀はそっと肩にかけてくれた。
「んで、気づいた。オレ、初めて会った時から響の事が好きだったんだって。誰にも渡さねぇって、自分を抑えられなくなったのは初めてだ」
「そうそう。それでドア蹴破っちゃったってワケ」
龍斗が蹴破られたドアを指さしてまたクスクスと笑う。



