黙って俺に守られてろ。~最強男とラブ♥戦争~



中からは夕飯のいいにおいがしてきている。


私の大好きなハッシュドビーフのにおい……。



「た、ただいま……」


「おかえり、響……」



パタンというドアの閉まる音で私の声はかき消されたようだけど、私が帰ってきたことに気が付いて、お母さんは奥から慌てて出て来た。



「あの、お母さん……。私……」


「ごめんね、響。あんなに頑張って勉強して、行きたい高校に受かったのに、お母さん、それを台無しにしちゃって……。響が鳳凰に行ってすごく嫌な気持ちをしている事にも気が付かなくて本当にごめんね」



涙ぐみながらお母さんは頭を下げる。


こんなことを望んでいたわけじゃなかった。


全ては私の八つ当たりなのに……。